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2008年7月 6日 (日曜日)

塩田千春 精神の呼吸 クライマーズ・ハイ

モディリアーニ展もやっているが、一般1500円も取る割りには・・・ 名作は来ていない感じ。

で、この塩田さんの展示が、不覚にも、涙があふれる、感動。靴の背後にある各人の人生の重さなのか?
その他作品も、手がかかっているし、迫力があるし、うーん、参った。単なる糸だが、糸は、何かと何かをつなぎ、結び、縛り、閉じ込める・・・

ただ、靴を並べて、たくさんの人間の人生を一挙に思い出させる手法は、昔、ニュースステーションで、日航機の事件の振り返りをやったときに使った方法であることを思い出した。たぶん、23年前か?そのとき、橋谷能理子って、女性キャスターが、何か突拍子も無い失言をして、番組の雰囲気を壊して、たしか、しばらくして、この人、首になっちゃったんじゃなかったか?などと思い出したりした。この人は1961年生まれ、
たぶん、そんなことを覚えている人はいない?いや、この作者なら知っていたのではないか?

それはとにかく、最近の、国立国際は、面白い。現代美術自体が、流行しているからなのか?館長の力か?

で、その日航機の事件つながりでもないが、クライマーズ・ハイを見た。力作として評価されているので、あえて、私が言う必要がないかもしれないと思う。ただ、ネットの評価をいくつか読んで、この映画(あるいは、横山秀夫)の言いたいことというか、ここまで、作品を作った理由について、あまり触れている方がいないように思うので、書いておきたい。
この作品の言いたいことだと、私が考えていること(というか、思いっきり、最後のところで、説明されるのだけれど)は、日航機事故の原因が圧力隔壁破壊ではなく、本当の理由は、隠蔽されているということではないか、それも、米軍の関与があるのではないか、マスコミは操作されたのではないかということである。
もちろん、ひとつの作品には、色々なことが語られるのだけれど、このことが、もっとも言いたいことなのだと思う。そのことが分かれば、悠木の母親の設定の意味も分かる気がする。そして、悠木の大事な判断の際になぜあのシーンが挿入されるのかが。

そもそも事故原因隠蔽説の理由としてもっとも説得力があると思うのは、下のリンクの本を当時、読んで知ったのだけれど、尾翼が吹き飛ぶほど、客室内の圧力が抜けたのなら、内部の乗客が、耳の異常などをはじめとして、そのことに気づくはずなのに、その兆候が見えないということなのだが、(そのことは、日航の機長組合が同様の疑問を呈している)そのことが、ずっと私の中で、引っかかっていて、現場を取材した横山氏自身も気づいていて、いや、当時、取材をした記者たちなら、そのことに気づいているのに、まったく記事に出来ていないその体たらくを、この地方新聞の現場を描くことによって、逆説的に、批判しているのではないか?悠木は、現場の記者の直感で、記事にしなかったのに、大手新聞(毎日)は、簡単に記事にしやがって、という批判なのではないか?
(ただ、事故調が、圧力隔壁破壊説を公表することは、分かっているのなら、記事にしてしまっても、問題になることはないのだから、記事にしない判断はないのではないかとも思うが、それは、作り事の問題、実際、私も、今、これを書いていて気づいたくらいだからOKでしょう)
そのようなことを本にして、映画にして、メジャーに載せた作者、製作者は偉いのだと思う。しかし、パンフレットには、その点が触れられていない。彼らの主張は、ここまで来ても、抹殺されるのである。一応、話は聞いたのだとして。

ここまで書いても、事故原因隠蔽説は、それほど、語られていないではないか?この映画の意図は、地方新聞を舞台にした新聞屋の戦いではないか?いや、家族の絆を結局描いているのではないか?と思われるだろう。
それは、事故原因隠蔽説を声高に叫ぶ映画を作るのは、無理だからである。偽装しているのである。また、隠蔽説を声高に叫んでも、トンデモ説として、相手にされずに終わり、逆効果だからである。作者の計算は、深い。

鑑賞者は、そのことを受け止めるべきであろうと私は考える。

すみません。これを書いた後、ブログなどを見てますと、事故原因が疑わしいと思っておられる方が、かなり多いことがわかりました。
ただ、その観点を持っておられる方は、この映画は、そこを深く掘り下げていないから不満であると書いておられる方が多いですが、そうではないのではないか?と私は思うということです。

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